「一晩明けた。というわけで、考察を始める」
『もー(´Д｀) 坊ちゃん、素直に貰っとけばいいのに』
「なにか言ったか、シャル」
『いえ、僕は余計な口は挟みません』
「誰もが無駄に気分浮かれる、1年間における最大のイベントが昨晩のクリスマス、そしてその前夜であるクリスマスイヴ。ここまでは問題ないな」
『そんなイベントに興味ない、とか言ってたくせに……』
「なにか言ったか」
『いえ、なにも』
「問題ないな、ユーキ」

ない。

「よし。本題はここだ。ユーキ、お前はクリスマスプレゼントを用意した。僕にあげるためのものだ。さて、それはなんだったかな」

ユーキ自身。

『ありがたく頂戴しとくよ』
「シャル、お前は僕が許可するまで絶対に喋るな。ユーキ、ひとつ訊いておくぞ。お前はその「ユーキをあげる」という言動が、一体どういう意味なのかわかってるのか?」

わかるよ。

「砂糖菓子娘。僕にそんな気はないぞ」

なんで。

「なんでって……お前、僕とユーキがいつそんな間柄に」

あーっ! わかった。わかったよ、坊ちゃん。今はそうやって必死に平常を装ってるけど、実は頭の中ほわんほわんなんでしょ!

「えっ……」
『おぉっと? そうなんですか、坊ちゃん。なんか面白くなってきましたね(￣ー￣)』

うわー。坊ちゃんって、そうなんだ。まぁ年頃だし、仕方ないよね。そういうのは。
でも……へぇー(´∀｀*)

『へぇー(´∀｀*)』
「へぇー……って、お、おい。あげるっていうのは……つまり、そういう、意味なんじゃ……」

あ。坊ちゃんったら、真っ赤になってる。

『どこで学習してきたんですか、その意味合いを』
「う、うるさい! だいたいシャル、お前だって呆けてたじゃないか!」
『ポーズですよ、ポーズ』

まぁ、狙ってた通りの反応だね。よしとするよ。

『だね』

シャルに言ったんじゃないけど。

『僕だって、みんなと一緒にクリスマスを楽しみたいの』

さて、坊ちゃん。冗談はここまでにして、そろそろ本題に入るね。

「また僕で遊ぶつもりなんだろ。今度は、そうはいかないからな」

そんなんじゃないし。あっち見て、坊ちゃん。ほら、あっち。

「あっち?」
『あ、ずいぶんおっきなドームですね』

「あれがどうした」

あの中で盛大にクリスマスパーティーやってるの。みんないるよ。スタンたちもいるし、ルカくんもいるし、スパーダもいるし、ルルーシュもいるよ。サレ様だって。

『うわお、豪華なメンツ。ユーキの王子様たちはいる?』
「え……王子様?」

大集合。ふじりんご先輩も、きっくーも、じろうくんも。ほかにも大勢。ユーキたちもあの中にお呼ばれしてるから、さ、早く行こ★

「王子様、って……?」
『はいはい、話はあとですよ。早く行きましょうよ、坊ちゃん。パーティーなんて、テンション上がっちゃうなあ♪』

そうそう。あっちに本当のプレゼントも用意してあるし。シャルには、赤と緑のリボン巻いてあげるね。

『ほんとに!? 聞きましたか、坊ちゃん! 僕、リボンでクリスマス仕様になれるんだって!』
「あ、ああ。それでユーキ、王子様っていうのは……」

いいから、いいから いざ、レッツゴー＼(^O^)／

「いや……その、王子様って……」
『坊ちゃん……。ピュアですね(￣ー￣)』