じゃあ今からすればいいでしょ!
「なに怒ってるんだ!」
いいよいいよ、ユーキは知ってます。坊ちゃんがどういう女の子が好きなのか。全部知ってるもんね。
「どうせでたらめだ。言ってみろ。お前の中のイメージを粉砕してやる」
メイドさん。
「は?」
メイドさんでしょ。
「お前、なにを言っている」
坊ちゃんは、メイドさん趣味って言ってるの
「なんでそういうことになるんだ
」
うわー、むきになっちゃって。違うなら一言「違う」って言えばいいのに、いちいち声荒げてるとこが怪しい。もうばれてんだから、さっさと認めちゃえば? 僕はメイドさんが大好きです、って。認めちゃえば楽になるよー?
「こ、こいつ、言わせておけば……
」
クリスマスにみんなで集まったでしょ。ひとり、かーわいいメイドさんいたでしょ? 覚えてる?
「知らない」
隣に、坊ちゃんみたいな雰囲気の男の子がいた。
『あ、あの可愛い娘』
「知らない。僕は断じて知らない。そんな女に興味はない」
もう、し・つ・こ・いっ
「しつこいのはお前だ
」
あー、もういい。最悪。バレンタインに坊ちゃんにチョコあげようかと思ってたけど、やーめたっ。おっきいチーズケーキみたいなの作って、サレ様とかヴェイグとかスパーダとかルカくんとか! お・う・じ・さ・ま・と・か!! みんなで分けて食べる。坊ちゃんにはあげない。
「こっちから願い下げだ。誰がお前から貰ったチョコなんか食べるか」
そう。それならゴミが増えなくてラッキーだね( ̄ー ̄) ほかの子からもらったチョコ、たーっぷり堪能してちょーだいな。じゃあね、坊ちゃん。ユーキは行くよ。ばいばーい(*^o^*)/~
『坊ちゃん、ユーキ、本当に行っちゃいますよ(´・ω・`)』
「ふん。誰が止めてやるもんか」
『あーあ、バレンタインを目前にして最悪……( ̄  ̄)』
『坊ちゃん』
「なんだ」
『文字だけだと、本当にユーキが早とちりしてるだけのようにも見えますが……顔、真っ赤ですよ』
「え……っ///」
『ユーキもひとりで怒ってたけど、坊ちゃんも坊ちゃんですよ……。で、実際のところどうなんですか?』
「なにが」
『あの可愛い娘のこと』
「シャル」
『はい』
「黙れ」
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