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夢は自由さ。たとえ坊ちゃんにぎぅうううってされようとも、におーにぎぅうううってされようとも、サレ様に頭撫でられようとも、思いっきりスパーダの肩を掴もうとも。夢ではすべてが、自由なのだよ。
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 ねえ、----。世界は、どうしてこんなにも大きいんだろう。世界って言ったら、実感湧かないかな。うん、そうだね。わたしたちが現実に生きてる世界と、わたしたちが知ってる世界っていうのは、全然違うもんね。そう、全然違う。国がたくさんあって言語もたくさんあって本当にいろんな人がいて、世界ってすごく広いことは知ってるんだけど、実際に認識できてる世界なんてちっちゃいものだもの。同じ日本国内にいても、地方が変われば会話すらできないじゃない? わたしたちって。
 じゃあ、空はどうしてあんなに大きいんだろう、って言ったら実感湧くかな。海はどうしてあんなに大きいんだろう、って言ったらわかる? あ、終わりのない数字とか。----は、数学得意でしょ。全国模試でも、すごくいい点だったよね。超難解な問題だって解けちゃうんだね。わたしにも、それくらい得意なことがあればなあ。
 まぁ、それはそれとして、ねえ、----。わたしの言いたいこと、わかる?……わからないよね。なに言ってるのか全然理解できない、って顔。----は悪ぶってて、いろんな問題を起こすけど、本当は賢いもん。筋道の立ってないわたしの話なんて、聞くだけ退屈でもおかしくない。きっと、わたしの周りは頭がいい人ばっかりなんだね。だから、誰もわたしの話を聞いてくれないのよ。----だけ。こんなふうに、ふたりっきりでも話ができるのは。
 「俺は頭よくなんてない」? わたしの言ってることの意味がわからないから? そうだね。わからないことがある限り、----は自分の頭がいいってことを認めないと思う。なんだかわたし、偉そうな奴みたい。許してね。わたしがこんなにたくさん喋るのは、たぶん、これから先何年生きるのかわからないけど、そう多くないはずだから。
 わたしね、----。世界が広いのも空や海が大きいのも、数字が無限に続いていくのも、全部意味のないことだと思うんだよね。どうして、って考えてもきりがない。誰もその答えを知らない。ということは、そもそも理由なんてないんだよ。ないものを探したって見つからない。もしかしたら誰も解答を持ち合わせてないだけで、本当は世界が広いことに意味があるのかもしれない。でも、当事者であるわたしたちがわからないなら、いくら説明しようと弁解しようと無駄な話だよ。それって、ないことと一緒じゃない。だから、世界に意味はないの。なにかに気づくのは失ってからだ、なんて言うけど、失ってから気づいたんじゃ、それこそなんにもならない。後から気づいてどうするの? どうしろって言うの? ただ、切なくなるだけじゃない。
 世界に意味はない。----。わたし、世界に意味なんてないと思う。じゃあ、意味のない世界に生きるわたしたちは?……やっぱり意味なんてない。意味のないものの上に、意味のあるものが生まれるとは思えない。だって、そうじゃないとおかしいじゃない。無から有は生まれない。無からは無しか生まれないよ。生まれたことに意味があるとか、生きる意義は必ずあるとか、芸術家はよく言うよね。わたし、ああいうのって素直に聞けない。ひねくれた目で、あぁ、また自分ご都合なこと言ってるって思っちゃうの。なんにもわかってないくせに、って、自分だってその例に洩れないくせに偉そうに吐き捨てちゃいそうになる。
 可愛くないね、わたし。本当は、もっとみんなみたいに、夢や希望に溢れてきらきら笑ってるような、すっごく可愛い女の子になりたいのに。憧れなの。クラスのほかの女の子。なのにわたし、拗ねたことばっかり言って、なんにも魅力なんてない。いくら顔がちょっとくらい可愛くったって、思想がこう拗ねてちゃ誰も友だちになってくれない。----も、そう思うでしょ?
 俺もすごく拗ねた奴だなんて、----は優しいんだね。いいんだよ。わたしに合わせなくても。……そうやって言うところが拗ねてる? あはは。----がそう言うなら、そうかもしれない。うん。きっとそうだね。----の言ってることは、だいたいいつも正しいもの。そう否定しなくても、わたしは「----は常に正しい」なんて言ってないよ。たまには間違えることもある。当然じゃない。だから、この前も家出未遂なんてしたんでしょ? わたし、知ってるよ。あれ? 赤くなっちゃって、----、なんか可愛いね。
 警察が----を全力で捜索し始める前から、わたし、あなたがどこにいたのか知ってたよ。言ってなかったけど。うん、誰にも言ってない。言ってないけど、今、初めて言った。あのとき、----がどこにいたのか、当ててあげようか。警察が必死になって捜してた、学校でも裏山でも公園でも映画館でもない。----、自宅にいたんだよね。自分の家の、お父さんが不要になったものを一時的に保管してる、地下の倉庫。みんなが----の名前を大声で叫びながら捜してる間、----は、ずっと地下の倉庫にいた。そこはずっと掃除してないものだから、埃まみれになって座ってた。----、ああやってあの場所に佇んでたってことは、結局家族に見つけて貰いたかったってことなんじゃないかな。家族、特にお父さん。当たってるでしょ。わたしがどうしてこんなことを知ってるのか、気になると思うけど、それはまた今度話すね。わたしの秘密。いずれ打ち明けるよ。----に対してなら、その決心をつけられそうだから。
 世界はすごく大きいよ、----。実感は湧かないけど、すごく大きい。こんなに世界は大きいのに、例えば今この瞬間のわたしたちみたいに、ふたりっきりで会話してるなんて、なんかすごいと思わない? わたしね、時々考えるの。確かに世界に意味はないかもしれない。でも、存在してるのよ。意味も理屈も理由も抜きにして、ただ、単純にそこに存在してる。それだけ。それだけなんだけど、その存在があるからこそ救われるなにかがある。もちろん、その存在があるからこそ苦しむパターンだって多いと思う。きっとうまく均衡がとれてるんだね。地球は丸いままだし、わたしもわたしとして生きていられるし、----は変わらず----のまま。バランスがとれてるから、今の形状を保っていられるんだよ。
 わたしね、素直になれない性格なの。世の中を悲観しがちだし、せっかく誰かが声を掛けてきてくれても自分で突っぱねちゃう。なのに独りぼっちを寂しく感じてる、勝手な人間なの。だからかもしれないけど、わたし、----がわたしに話しかけて来てくれてよかったと思う。出会ってくれたことを、素直に感謝したい気持ちになる。----は、ただ、なにかにつけてわたしと同じ係や受け持ちになったから、なんとなくわたしに喋りかけてただけかもしれないね。でも、それでも嬉しかった。大抵の人は、まるでわたしを空気みたいに扱うから。それはわたしが望んだことだから、みんなに罪なんてないよ。わたしが望んだの。でも、辛かった。----は、わたしの自分勝手な殻を破ってくれたの。自覚はないと思うし、自覚して欲しいとも思わない。なんか重いでしょ、そういうの。わたしは、自分勝手に----に重い荷物を背負ってもらうつもりはないから。
 わたしは、救われた。この意味のない世界で。----に出会えた。本当に、ただそれだけの理由で。もしかしたら、わたしみたいなひねくれ者は、ううん、人はみんな、ここから自分なりに世界を意味付けていくのかもしれない。世界に意味がないのは、ひょっとしたら、そういうことなのかも。本当にそうだとしたら、やっぱり芸術家は自分ご都合だね。言ってることは正しいかもしれないけど、あまりに人を傷つける。わたしはしなかったけど、全世界の全出来事に失望して自殺しちゃう人もいるんだから。
 ----。わたし、あなたに出会えてよかったよ。……違うよ、恥ずかしい。そういう意味じゃない。恋愛感情は、自分たちを縛る鎖にしか思えないから。だから恋なんて嫌だけど、でも、自分以外の誰かを大切に思う気持ちは否定しない。そういうのって、すごく素敵だと思う。そういう意味では、わたし、----のことが好き。大好き。すごく大切。できることなら、ずっとずっと、こうして近くにいて欲しいくらい。あ、そんなのは無理な希望だって、ちゃんとわかってるよ。安心して。今、ここであなたを大切に思ってるってくらい、いいじゃない。わたしにもまだ人を思う気持ちが残ってたってことが、変な話なんだけど、自分ですごく嬉しいんだ。なんか、愛しい。この気持ち、ずっと失くさないようにしなくちゃね。だからね、ありがとう。----。
 長い話に付き合わせちゃったね。最後まで聴いてくれてありがとう。----には、お礼を言うことが山ほどある。わたしになにかできることがあればいいんだけど、なんにも思いつかないの。でもね、わたし、本当に感謝してる。とりあえず、行けるところまで行ってみようかな、って思ってる。死ぬ予定は、到底ない。生きてみるよ。昨日も一昨日もなんとか生ききったみたいに、わたし、明日も明後日も生きる。もちろん、今日も。前を向いて、生きてみる。
 こんなわたしの話を聴いてくれて、本当にありがとう。世界は大きいね。----がわたしの話を聴いてくれたみたいに、わたしも誰かの話を聴いてあげることができるかもしれない。そしたら、気持ちが楽になる人が出てくるかもしれない。それって、いいことだよね。すっごくいいことだよね。わたし、頑張ってみるよ。わたしはこんなに大きな世界の、ほんの一部分しか知らないけど、投げ出さずに頑張ってみる。救われる人がいるなら。
 この世界が、いつかみんなの笑顔で溢れるようになったらいいね。人はすごい幼稚な理想だって笑うかもしれないけど、重要なことだよ。ねぇ、そう思うでしょ、----。いつか本当に、そんな時代が訪れたらいいなあ。ね。----。






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