坊ちゃーん。
「なにしてるんだ、お前」
右手出してる。
「見ればわかる」
それなら訊かないでよ。
「言うと思った。お前のパターンはだいたいお見通しだ」
『そういう坊ちゃんのパターンも、実はユーキにはお見通しだと思いますけど。そして僕にも』
「シャル」
『あ、すみません』
マッサージして。今日は右手使いすぎてやばい。ぺんだこ、成長したよ。
「なんで僕がしなくちゃならないんだ、そんなの」
シャルはマッサージできないし、仮にできたとしても大変なことになるでしょ。だから坊ちゃん、お願い。
「自分でやれ。左手が暇だろ」
味気ない。
「僕がやれば味気あるのか?」
『愚問ですよ、坊ちゃん』
「お前は僕が許可するまでしゃべるな」
味気あるっていうか、痛いの治る。やってやって。明日も頑張らなくちゃいけないんだから。
「……仕方ないな。両面からちょっと押すだけでいいんだろう?」
うん、そう。あ、そこそこ。うわー、坊ちゃんの指ってほっそーい
「……
」
『一気にテンションあがったよ、この子』
坊ちゃんの指、めちゃくちゃツボるーっ(≧ω≦)
ほっそり指先大好きなんだよね、ユーキ♪ あ、坊ちゃんって爪おっきいね。ますますいいわー
(*´∇`*)
もお、坊ちゃんだいっすき
「………
」
『あれ。どうかしたんですか、坊ちゃん』
「実は、僕もユーキみたいな手っていいなと思ってたんだ。大きすぎないし小さすぎないし、爪の形もはっきりしてて綺麗だなって」『ん?』
え……え(●д●)
「というか、実を言うと、ユーキってけっこう僕の好みなんだ……。(触ったことないけど)髪やわらかそうだし、手もやわらかいし、色白だし、背は僕より低いし。思ったことをすぐ口にする率直さも」
坊ちゃん。
「なんだい、ユーキ」
なんの芝居?
「よく見破ったな」
『誰でも見破れます』「残念ながら、見破ったところでなにも出ないぞ」
『そのレベルでいちいちなにか出してたら、最終的に坊ちゃんはただの絞りかすですよ』「僕の許可がおりるまでしゃべるな、と言ったはずだぞ」
『えー、さっきは無反応だったくせに…(-_-;』
手、まだ痛いんだけど。
『ユーキ、しけちゃいましたね』
「……ちっ」
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