「自分の中にはもう1人自分がいる」という考え方について
僕は誰かが言い出したその発想に、賛成したいと思います
それはまるで朝も夜も関係なく、ただそこに毅然と存在する植物のような原理
ほらあなたは、またそうやってお愛想笑い
もう僕は飽きたっていうのにね
いつまでもいつまでも子供だまし
僕は君の心臓が欲しい欲しい欲しい
もう1人の「僕」はもう1人の「僕」のためのエゴイスト
今目覚めさせたいのならば
ナイフをこの手に握らせてよ
ねえ、そしたらいっぱいわからせてあげるから
まだしつこく生きてるの、なんて
つい楽しくなっちゃうようなセリフは
君の真っ赤な血の中にお預けさ
世の中にはうんざりした、とは言わないけど
僕は根本的にひとりぼっちじゃなく
されどやはり基本的にはひとりぼっちで
ねぇ君、血って飲み干すと美味しいのかな?
「自分の中にはもう1人自分がいる」という考えについて
僕は誰かが言い出したその発想に、やっぱり賛成はしないことにします
だって「僕」はやっぱり「僕」個人のみ
君の眼が手が欲しい僕だけ
君もあなたも彼も彼女も
全部ぜんぶ全部欲しい欲しい ねぇ
その大きな心臓をちょうだい
萎えた生命、貰ってあげる
赤い血液、ぶちまけておしまい
抑えきれない「僕」にあげる
なにもかもこわしておわり
もう僕は生まれてこないようにね
赤い熱い血液を、ここにぶちまけて強制終了、グッドバイ
ばいばい、またね
もう会わないけれど
それでも、またね
PR