沈んだのは黒でも闇でもない
恐怖心すらも捩じ伏せるような
海よりも深く突き抜けたような
精神に針刺す世界でした

「それでも色を」と迫るのなら
赤も青も塗り替えた無色と言いましょう
眩しい光を映す程の視力
すでにこの瞳にはありません

上も下もない空間
入口も出口も有りはしない
真実から逃れるための
此処は「楽園」なのですか?

自分にとって都合のいい妄想は
今まで生きた場所にどう作用する?
目を背け続けてきた自分自身に告ぐ
タイムリミットはもう すぐそこ

時間はかなり限られている
早く気休めの「楽園」から這い出せ

この身がなくなる前に
あのまま生きるはずだった地を辿ろう
そこに残された感情は
僕を浄化してくれるでしょうか

ほんの少しの合間を縫っては
まだ僕は勝手な妄想をしていて
叶えるはずだった幼い夢は
輝かしく胸の内側に残ったまま

「楽園」から這い出すのに時間がかかった
残された時間はもう僅か
僕はどこまで粘れる?

上も下もなかった「楽園」は
逃避し続けた結果論
不安定な精神だけで完結した
酷く不安定で逃げやすいその世界

沈んだのは白でも光でもない
異次元のような不可思議な空間でした
精神をぎりぎりと追い詰める
此処は「楽園」なのですか?

出口のひとつも見つからない世界
生温く海に揺られているような
足場の覚束無いその場所は
そこは「楽園」だったのですか?

表側に出る苦痛と解放感
どちらのほうが多いとしても
僕よ どうか忘れないでください
タイムリミットは近いとしても
僕は神様が許すまで生ききります