この命燃え尽きるまで
貴方の為に僕は剣を抜く
ときには一歩前を歩いて
ときには傍を歩きながら

燃え盛るは蝋燭の炎
ゆらり蠢く紅き儚き
くべる心の奥深くには
貴方を想う想いまで

守護を誓いしこの躯に
音もなく滾る生を運ぶ水
盛る炎に潜む憎しみを
切っ先に込めて刃をはらう

決して清らかではない赤い血も
貴方の為ならば惜しまず捧ぐ
刃より淋璃するこの雫も
謹んでその手に落としましょう

醜く腐った獣の死骸
枯れて散り急いだ此処に咲く花
美しくはない景色を前に
貴方は何を悟りましょうか

廻る世界に流血を誘う
僕のことを嫌いになりましょうか
貴方は愛しき僕の恋人
失われた国の姫君

やがて僕の中に静かに燃える
この炎が消えるそのとき
僕は剣を手放して果てましょう
悲鳴も恐怖もなく静粛に

ただ許されるなら最期の一瞬
貴方の唇にそっと触れて
いちばん優しい表情を見せて
変わらない想いを悟らせて欲しい

ただ許されるなら尽きた蝋燭に
目を閉じて祈ったりしないで欲しい
僕は変わらず貴方を愛しても
先ある貴方は違う誰かをまた見つけて

この命燃え尽きるまで
貴方の為に僕は剣を抜く
ときには一歩前を歩いて
ときには傍を歩きながら

この命やがて尽きても
僕は変わらず貴方の守護者
現れる貴方を愛する人が
きっとその手を引いてくれましょう