集え 黒の夢に敗れた兵士たちよ
折れた刃に代わる鈍色の剣なら此処にある
照らす光を凌駕する誇り高き絶望
掲ぐは正義唯我独尊の旗

生暖かい都市で蠢く魂
禁じられた闇の中を這う者共
その手が護り抜こうとするもの
果たして真に命に代えるべきか問え

変わらない力だけを掲げ続けて
時代は壁を突き破る破壊的経路を辿る
荒野ですら灰色に霞む視界
一瞬の縋る惑いを支配者は見逃さない

突き放されてこそ咲き誇る華
裏切りは盛れ 弱者の冷笑
誰が為の兵士が護るべき誰を失ったとき
復讐の剣を拾い上げる闇中の獅子となる

敗北した兵士たちよ
殺すべき光を胸に見据えて集え
護るべき正義なら此処にある
絶望を糧に捧げる一太刀恐れなど無い

信念はまだその胸に残っている
力の計り知れない敵を前にして
敢然と牙を剥く気迫
ならばこの刃は己の喉元に突きつけよう

嘲笑の標的は我が身へと移る
夢と共に君を愛した記憶
語れば形骸となる妄想に過ぎず
口を閉ざせば悟って欲しい願望が募る

裏切りは千万 まるで夜毎開く華の如く
生する舞台に疲れた役者たちの命を誘う
護るべき君を愛しきと呼んだ記憶
忌まわしきとなった日々に終止符を打て
捨て去るべき想いを抱いて集え

覚悟を決めた剣を片手に
拠点は誓いを新たに刻む胸の奥
この自我を壊す程大切な君よ

月灯は醒めた世界の空を
闇を切り裂いて無言で照らす
終幕を迎える世が再び目映く
輝く程にこの綺麗な世界を壊したくなる

夢追い兵士よ 集え集え
敗れたのは君が見た夢
黒色に染まる淡い色彩 夢色の世界
砕けた刃は純銀の正義を司った

夢追い兵士よ 集え集え
散った夢など葬り去るが華と知れ
新たに大切な君に気づくよりも
刃と共に蒼穹を仰げ 自尊心

世界は此処で終幕を迎える
さあ貴方も舞台を降りて
これより第ニの戯曲が幕開ける
「この世の王は僕と知れ!」

叫ぶ王者浴びる喝采
新しい世界に兵士は辿り着く
過去の自分と今の君と
決別するための儀式となるなら
愛した者へ刻む傷など怖くは無い、でしょう?