妥協に妥協を重ねて得る安心感になど
立ち向かう術に気付いた今では興味がない
何に関しても「イエス」を強要する世界
生まれ落ちた場所は人の体内より窮屈だ

羽根の休まる場所は何時だって目に見えている
只其処は単に休息の場とは違っていて
その場所へ続く道を辿る甘い香りは
実は敗北へ誘う罠だと気付いているんだろ?

その病んだ瞳に宿る光は
まだまだ死んじゃいないんだ
自分の意思ではなかったとしても
生まれたのだからせめて足掻いてみせろ

まだ見えるモノは変わらないのかい
一度理想を志したのなら
周囲ではなく己を変えろ
灰色の花も少しは色付いて見える

生温い世界の壁の内側で
生温く生きたいのなら好きにすればいい
未だ敗けることを恐るのなら
其処で指を銜えていろ

只早く気づけばいいんだ
勝てば褒められこそすれ
敗すれば必ずしも咎められるものでなく
立ち向かう勇気の皆無を敗北と呼ぶ規定

考える頭があって重い頭は手で支えられて
身体全部を支えられる強い足があって
それだけで上等の命じゃないか
少しは視点を変えてみろ

時代は止まることなく動いていく
自分自身の理想に自分自身で喰われるな
「妥協」と「諦念」を合言葉とした
膿んだ世間でせめて一筋の亀裂となれ

この世界は息が詰まるくらい窮屈だけど
自分の為にやれることは山程あるんだ
残されているもの・新たに与えられるもの
人は只美しい色彩には鈍感なだけ

生まれ落ちたならせめて生きろ
行き着いた果てに何が在ろうとも
もう立ち尽くすことはないだろう
ずっと生きて来られた勇気で立ち向かえるはずだから